【若旦那奮闘記⑩】新サービス開発に向けて<その6>
こんにちは!
“新宿通りの若旦那”こと、
甲州屋の志村郷親です。
先週のブログで、14日に緊急事態宣言の解除が検討されるということについて触れましたが、結果として、39県での解除となりました。
東京は「週平均で感染者が5人未満」との基準が出ましたので、解除までもう少し時間がかかりそうです。
ただ、現状で1日あたりの感染者が10人前後となっていますので、ひょっとしたら、当初の延長期日の5月31日より1週間ぐらい前に解除になるかも(?)しれません。
自粛期間が長かったせいか、また皆さん仕事が溜まっているせいもあってか、ゴールデンウィーク明けから街に人が多くなってきたと感じています。
(甲州屋のある新宿も結構人が増えてきました。)
第2波、第3波が来て感染者が増えてしまったらさらに自粛が長期化してしまうのでは、という懸念がありますので、ここは慎重に日常に戻していかなければならないと個人的には感じております。
何事も「一息ついた時が一番危ない」と言われていますので、何卒お気を付け下さい。
さて、今週も、先週に続きまして【若旦那奮闘記】の続きです。
前回のブログでは、「着物を着る機会が減少しているにも関わらず、約9割の女性が着物に興味を持っており、何かきっかけがあれば着てみたいと考えている」というデータがあるということ。
そして、「なぜそんなにも興味を持っているにもかかわらず、着用に踏み切れない方が多くいらっしゃるのか」という疑問について、次回のブログでさらに細かく検証したときのお話をしようと思います、というところまで書きました。
私が新サービス開発のためにデータを集め始めたのは、2010年前後のことでした。
データによると、まず、購入を足踏みする一番の理由として挙げられていたのが、「価格が不透明」という理由でした。
これは、着物は一点ものが多いのと、同じ技術、製法で製造されている物でも、細かい細工が多く施されている物とそうでないものでは価格が大幅に変わってきてしまうからです。
呉服屋さん側の情報発信が不足していることもあって、お客様としては、まずお値段の理由が分からずにびっくりされることが多くて、警戒されてしまっているわけです。
ただ、それだけなら情報発信のやり方を工夫すればいいのですが、他のデータでは、お客様の予算のボリュームゾーンは「着物一式合わせて10万円前後」となっており、ここに一つ大きいギャップがあることが分かりました。
購入を足踏みする理由として次に多かったのが、「お店に入りにくい」、「無理に売られそうで、気軽に見ることが出来ない」と感じているお客様が多いということでした。
これは、一時期ニュースで報道されて問題になりましたが、一部のお店で、ローンを活用して過量販売をしてお客さんとトラブルを起こしていたことが影響していたのではないかと考えています。
こんなニュースが話題になれば、お客様も警戒しますよね?
ただ、以前ブログで書いたこともありましたが、あまりに強引な手法をとっているお店は長くは続きません。
だいたいすぐにこの業界から退場しています。
残されたお店は、そういった悪評高い店の印象まで背負って生きていかなくてはならないんですよね…。
悲しいことです。
とまあ、愚痴はこの辺までにしておきまして、この「お店に入りにくい」、「無理に売られそうで、気軽に見ることが出来ない」と感じてしまっていることについての対策は、店で買うかどうかはあくまでもお客様に主導権があるんですよ、ということを感じて頂くしかありません。
「強引な営業攻勢をかけるのは一部の目立ったお店です。老舗の呉服屋は強引な販売はしませんよ」という営業方針を、我々の業界がお客様にわかりやすく長い時間をかけて発信していくしかないんです。
長くなりましたので、次回は検証の詳細の後編と、どのようなポイントで新サービス開発のかじ取りに着手したのかについてお話ししようと思います。
またよろしくお願いします!
追伸
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