Blog『新宿通り・若旦那通信』

“新宿通りの若旦那”こと、新宿・甲州屋呉服店の志村郷親が、「着物」や「和文化」、日々の仕事のことなどについて語ります。

【若旦那奮闘記⑪】新サービス開発に向けて<その7>

こんにちは!
“新宿通りの若旦那”こと、
甲州屋の志村郷親です。

4月初旬より続いていた緊急事態宣言が、ついに昨日25日夜に解除されるとの発表がありました。
これで全国すべての都道府県が解除されたことになります。

しかしながら、週末から東京都では感染者数が若干増えている日もあるなど、未だ予断を許さない状況であるのは確かかと思います。

東京都の方でも、段階的に緩和措置を講じるらしく、まだまだ元の日常に戻るということはなさそうです。

私ども甲州屋は、5月31日まで休業を継続し、6月1日より営業を再開することになりました。

先週もお話させていただきましたが、ゴールデンウィーク明け頃から人出が多くなってきており、何かのきっかけで感染が拡大してしまうかもしれません。
引き続き無理をせず、完全な収束を迎えることをお祈りしつつ、お客様とお会いできる日を楽しみにしております。

 

さて、今週も、先週に続きまして【若旦那奮闘記】の続きです。

先週は新サービス開発のためのデータ検証の前編ということで、約9割の女性が着物に興味を持っているにもかかわらず、

  • 「価格が不透明」
  • 「価格が高い」
  • 「お店に入りにくい」
  • 「無理に売らされそう」

といった不安や不満を持っている、というお話をさせていただきました。

【若旦那奮闘記⑩】新サービス開発に向けて<その6>

これらの不安や不満については、「店で買うかどうかはあくまでもお客様に主導権があるんですよ」ということを感じていただくために、「強引な営業攻勢をかけるのは一部の目立ったお店です。老舗の呉服屋は強引な販売はしませんよ」という営業方針を、我々の業界がお客様にわかりやすく長い時間をかけて発信していくしかありません。

次に私が着目したのは、多くの女性が、「着こなしや、着物のしきたりがわからない」といった不安を抱いているというデータでした。

これも随分前のブログで書いたことがありましたが、ポイントさえ押さえてしまえばそんなに難しいお話ではないんですよね。

ただ、先週のブログでお話しした過量販売などの問題がある販売方法をしている一部の業者が「~の時の着物は~でなければならない」というように着こなしについての様々なルールを打ち出したことで、それが独り歩きしてしまって、着物には何だか複雑なしきたりがあると思われてしまっている方が多いんじゃないかと考えられます。

これについても、我々のような老舗の呉服屋がもっと早く有益な情報を発信していればここまでにはならなかったと思います。
当時は今のように気軽に情報を発信できるSNSのようなツールがなかったので仕方がなかったと言えばそれまでなんですが、反省点ではあります。

そういった問題点が次第に分かってきた中で、この問題を解決する糸口をどこから辿っていけばいいだろうか?
と、その後よく考えるようになりました。

次に私が行ったのが、最近の購買層のお客さんや、今後購買層になる見込みのお客さんは、どういった販売チャネルを利用しているのかについて調べることでした。

購入先で一番多かったのはチェーン店で、全体の3割ちょっと
ありがたいことに、地元の呉服屋3割いらっしゃることがわかりました。
催事百貨店さんは、昔はそれぞれ1割といったところが3%、7%ぐらいまで減ってきていました。
その半面、徐々に増え始めているのは直販ネット販売リサイクルショップでした。

高額商品にもかかわらず、着物のネット販売が伸びてきていたことには驚きを感じましたが、ネットの場合は価格が表示されている物をポチッとするわけですので、確かに「価格が不透明」と感じることはないのでしょうね。

まあ、これだけインターネットが普及して当たり前のように生活の一部になってきていますので、着物業界の流通の変化が起きているのもそれもそうかと。

おかげで今後の方向性がだんだんと絞れてきたのでした。

ということで、長くなりましたので次回へ続きます。

またよろしくお願いします!

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追伸

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