Blog『新宿通り・若旦那通信』

“新宿通りの若旦那”こと、新宿・甲州屋呉服店の志村郷親が、「着物」や「和文化」、日々の仕事のことなどについて語ります。

世間を騒がせたあの事件のこと

こんにちは。
“新宿通りの若旦那”こと、
志村郷親です。

6月中旬頃は
梅雨時という事もあり、
雨続きの上に
気温20度前後という
季節外れの寒い日が
続きましたよね。

最近やけに
梅雨時なのに晴れの日が続くし、
気温も連日夏日が続くなあ
と思って過ごしていたら、
なんと梅雨明けしてしまったのですね。

急激な気候の変化に
体がついて行かずに
熱中症にかかる方が
多いようですので、
暑いと思ったらこまめに
水分補給と休息をして、
くれぐれもお気をつけて
夏を楽しんでくださいね。

さて、
今日は、私が一度お話したかった
ことを取り上げてみます。

最近のニュースで、
梅雨明け以外の話題で久々に
“はれのひ” という
キーワードが出てきました。

そう、
今年の成人式に非常に世間を騒がせた、
振袖の販売・レンタルチェーンの
「はれのひ」です。

破産手続き開始決定から半年、
遂に破産手続きの廃止が決定した
というニュースが入り込んできました。

当たり前といえば当たり前ですけどね。

債権者に配当が配れるくらいなら、
そもそも破産なんてしませんから・・・

呉服業界は数年に一度、
必ずと言っていいほど
一部のお騒がせ業者が
業界を引っ掻き回す
という事態が発生しています。

そして、
我々のような
古くから営んでいる老舗専門業者は、
何とかして被害に遭われたお客様を
救済しようと働きかけはしても、
そもそもこのような問題についての
自分の考えなどを、
公の場で発信することは
してこなかったかと思います。

今回に限らず、
こういったお騒がせ業者には、
着物というものはもはや普段着ではなく、
一生に一度しかないような
晴れの日に着用する特別なもの、
といった認識が足りない
と言わざるを得ません。

そんな特別な晴れの日に
お客様を困らせてしまっては、
業界全体の信用問題にかかわる
事になります。

実際に今回に限ったことではなく、
一部の業者の不誠実な行為によって
被害に遭われてしまい、
着物が嫌いになってしまう、
という方は少なくありません。

退場した業者は
それで終わりかもしれませんが、
我々専門業者は、
後々もそのような風評を背負って
生きていくことになります。

日々より良い商品、
サービスの提供を心がけて、
業界を健全に発展させていく努力を
重ねていくほかはないのです。

ただ、
着物や宝飾業界では、
そのようなお騒がせ業者による
被害が後を絶ちませんので、
お客様自身の目も養わないと
いけないのかもしれません。

ということで、次回は、
「失敗しない呉服屋さんの選び方」
についてお話させていただきますね。

またよろしくお願いします。

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