「着物警察」とは?呉服屋が解説④
こんにちは!
“新宿通りの若旦那”こと、
甲州屋の志村郷親です。
3週に亘って、東洋経済オンラインの記事で知った「着物警察」というパワーキーワードについて、私なりの解釈、解説をしてきました。
先週は、業界の裏事情も交えて、私なりの考察をお話しさせていただきました。
さすがに長くなってきましたので、このシリーズは今回でおしまいにしようと思いますが、最後に、記事のタイトル(「着物警察が若い女性を目の敵にする歴史事情 商品の「高級化路線」を狙った着物業界の功罪」)にある「着物業界の功罪」という言葉について、私なりの考えをお話ししようと思います。
先週、「着物業界の功罪」というものがあるとすれば、バブル崩壊以降の話なのではないか、とお話させていただきました。
それはどういうことなのかというと、「バブル崩壊以降、業界が総じて、一部のお客様のみを対象とした高級路線からの脱却を考えてこなかった」。これに尽きると考えています。
もちろん、そういった購買層のお客様(お稽古事をされているお客様など)は一定数いらっしゃることは事実です。(私ども呉服屋にとっては、とても大切なお客様です。)
しかしながら、ライフスタイルが大きく変化し、普段から着物に着馴れている人が年々減っていく中で、着用シーンが成人式等に限定されるなど、市場環境が劇的に変化していきました。
それでも、業界のほとんどの関係者は高級路線を維持し、はたまたその後、ショッピングクレジットを利用した過量販売問題にも発展し、またそういったビジネスモデルが業界内でもてはやされ、さらに多くのお客様に業界に対する不信感を抱かせる結果となった、と言えるのではないでしょうか。
着物そのものは興味のある方は多くいらっしゃいます。
若年層においても、リサイクル着物等、自由に着物を着たいと思考錯誤されながら着用されている方を街でたくさん見かけます。
これまでもこのブログで、業界に対して感じていた違和感を何度か書いてきましたが、この「着物警察」問題も、同じような違和感を持ったと同時に、着物・呉服業界の健全化と発展のためにも重要な話と考えて、4週に亘ってこの話題を取り上げさせていただきました。
しかし、まさかこんなに長い話になるとは(汗)。次週より通常運転で参りますw
またよろしくお願いします。
追伸
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