浴衣のお直しの注意点!廉価な浴衣と伝統的な浴衣の違いとは?

こんにちは!
“新宿通りの若旦那”こと、
甲州屋の志村郷親です。
連休最終日あたりから、またお天気が安定していませんが、いかがお過ごしでしょうか?
休みの間は良かったのに、東京では、最終日ぐらいから図ったかのようにどんよりとしたお天気が続きました。
気温はそこまで上がらなかったので、暑くなくて過ごしやすいといえばそうなのですが。。
近年は、5月に入るともう夏日のような暑さで、半袖のみで過ごしても1日寒くなることも無かったような気がします。
今年は、日中暑くても、夜の気温がガクッと下がって冷えたりするので、長袖で過ごした方が過ごしやすいように感じています。
いずれにせよ、これからは雨が多くなってくる季節。
傘を持つ、持たないの判断もありますので、毎朝のお天気チェックが欠かせませんね!
さて、最近、浴衣のお直しのご相談を受けることが非常に増えております。
ところが、着物と違って、近年の浴衣ならではの事情があるため、残念ながらご要望にお応えできないケースも多々あります。
今回は、浴衣のお直し事情について触れようと思います。
近年の「夏場のイベントに浴衣を着て出かける」というブームが定着してだいぶ経ちますが、先ず押さえておきたいことがあります。
それは、着物と違って、浴衣は、様々なメーカーが製作に参入していまして、すべてのメーカーが必ずしも伝統的な技法に則った製作をしているわけではないということです。
現状として、インターネット等で販売されている廉価な浴衣は、当然コストを抑えるために、
- 生地から機械によるペイントの染め
- 仕立てはオールミシン
- サイズは2,3種類に大別された状態
で、仕立て上がった状態で販売されています。
生地も、浴衣ということで同じ綿地でも番手(生地に対する繊維の詰まり具合と考えていただければよろしいかと思います)が違い、そんなに丈夫に作られているわけではありません。
そのため、
- 1シーズンに1,2回着用して終わり、という短期での使い倒しで良い
- 購入金額を抑えたい
- 洋服系の色柄遣いが好き
といった動機でしたら、廉価な浴衣でも良いかと思います。
しかし、デメリットは、直しながら長く使うものではない、という点になります。
オールミシンでの仕立て物は、後で解いたりすることを想定して縫われていないため、解くのが容易ではないのと、生地が丈夫ではないため、解く過程で傷んでしまうリスクが大きいからです。
また、廉価な浴衣を直す場合でも、伝統的な浴衣地を手縫いで仕立ててあるものを直す場合と工程は同じですので、お直しの内容にもよりますが、廉価な浴衣の場合、お直しコストが購入金額より高くなってしまうことも多々あります。
一方、私共甲州屋など、専門店が取り扱う伝統的な浴衣は、生地が綿地でも上質のものをとなり、非常に丈夫で洗っても縮みにくくなっています。
また、手彫りの型を使って一反一反作り上げていくので、同じものが多く出回ることはありませんし、天然の染料を使用して染めますので、プリントでは表現できないような落ち着いた色味となるのが特徴です。
購入するときに高額になってしまうのがデメリットではありますが、製作時に採寸し、お客様にぴったり合ったサイズのオーダーでのお仕立になりますので、着心地は抜群に良いです。
また、打ち揚げ等の縫い代を切らずに織り込んで仕立てますので、将来的に誰かにお譲りしたり、サイズ直しの必要性が出たりしたときに、お直しが容易にできます。
以上の特徴を踏まえて、お直しのご相談の際の参考にしていただければ幸いです。
なお、たとえ伝統的な浴衣でも、生地が縦に大きく裂けてしまったり、染めが取れたり、白い部分に移ってしまったり、といった状態のもののお直しは厳しいですが、裾が切れてしまったりするくらいでしたらお直しできますので、先ずはお近くの専門店にご相談されることをお勧めいたします!
もちろん、私共甲州屋でもご相談をお受けいたしますのでご遠慮なくお申し付けくださいね。
それと、最近お話しさせていただいておりますが、そろそろ衣替えのタイミングですので、着物や帯を入れ替える前には忘れずに着物や帯に汚れやシミなどがないか確認をされてみてください!
後で見つけると、落ちにくくなっていることがしばしばあります。
また、イベント等で着用し終わった方は、忘れずに早いタイミングで、事前・事後のチェックをされてみてください!
そして、何か問題がありましたら、遠慮なくお近くの呉服屋さんにご相談されることをお勧めいたします。
もちろん、私共甲州屋でも、いつでもご相談をお受けしております。
では、次回もよろしくお願いします!
なお、当店では、お客様お一組お一組にごゆっくりお買い物を楽しんでいただくため、ご来店の際はご予約されることを推奨させていただいております。
ご予約はお電話またはメールにて承りますので、どうぞお気軽にご連絡ください。
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