即位礼正殿の儀で天皇陛下がお召しになられた黄櫨染(こうろぜん)の話
大正12年創業、新宿・甲州屋呉服店の三代目社長、 志村 賢三(シムラ ケンゾウ)です。
令和元年5月の皇位継承に伴い、新たに即位した天皇陛下が即位を内外に宣言される「即位礼正殿の儀」(そくいれいせいでんのぎ)が、令和元年10月22日に皇居の宮殿で行われました。
「即位礼正殿の儀」は、国事行事として行われる「即位の礼」の中心となる儀式で、天皇陛下は黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)をお召しになられました。
黄櫨染(こうろぜん)は天皇が晴れの儀式に着る袍(ほう)の染色の名で、色は、黄櫨(きはぜ)と蘇芳(すおう)、または紫草(むらさき)とを繰り返し染めた深い茶色になります。
平安時代から、天皇の束帯(そくたい)の袍(ほう)の色と定められ、現在に至っています。
袍(ほう)の地紋には桐、竹、鳳凰(ほうおう)があり、中世には麒麟(きりん)が加わりました。
黄櫨染は、本来、天皇以外は着てはいけない禁色(きんじき)の色として知られていますが、禁色ではない色目の、別の地紋のもので染めることも可能です。
基本的には地紋のある無地になりますが、当店のお客様も着用しておられ、帯合わせがとても楽しみな格調高いお着物としてご愛用いただいております。
そしてこの黄櫨染、実は光に当たると色が変わって見えるという特徴があります。
こちらが室内で取った写真。
そしてこちらが屋外で撮った写真です。
また、同じ屋外でも、午前と午後では色が変わります。
今に伝わる日本の伝統的な染色技術として、悠久の歴史の中に輝きつづけてる黄櫨染。
詳しくお知りになりたいことがありましたら、お気軽に当店までご相談ください。
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