甲州屋の歩みとこれから
甲州屋の歩みとこれから
私共甲州屋は大正12年、関東大震災直後に創業いたしまして、90年以上、新宿の地にて営業しております。
これまでも時代の変化と共にお客様のニーズにお応えしながら、今日を迎えております。
昨今の呉服業界、とりわけ呉服小売業界は、変革が求められる時代に突入して久しくなっております。
過去には各家庭でお子様が誕生されると、子ども様の時代から将来の婚礼支度など、着物一式を徐々に買いそろえる慣習がありましたが、核家族化や消費の多様性等により、小売売上高規模は1981年にピークを迎えて以降、低下の一途をたどり続けました。
とはいえ、現在、今まで着用する機会があまりなかった若年層の方や外国人の方を中心に、着物文化に興味を持つ方も多く、「何らかの機会に着用してみたい」といった要望も多くあります。
そこで、若年層の方や外国人の方といった、これまで着用機会が少なく、また着用するにあたってわからないことが多い、ご不安を抱えていらっしゃる方々に対して、高クオリティかつ提供が容易な新たなサービス方法を用いて、着物に親しんでいただければと考えております。
そして、今まで購入していただいたお客様にも、お手持ちの着物を末永く大切にご利用いただけるよう、これからも邁進してまいります。
IT、デジタル化を積極的に推進します
最盛期には1.8兆円規模の市場であった呉服業界ですが、お買い上げになられたお客様層のなかには、着用せずにただ保有するだけの状態になっていらっしゃる方が多くいらっしゃいます。
しかしながら、「これから着用してみたい」と考えているお客様層は、着物を保有されていない方のほうが多いのが現状です。
また、保有されていないお客様は、高額な着物や帯を買い揃えることに、価格の不透明さや「無理矢理売付けられそう」といった不安を抱えている等を理由に、購入を躊躇されている例が多く、リサイクル着物やご両親、ご祖父母から借りたり、譲り受けて着用することが多かったりします。
そこで、既に着用する機会がなく、また今後も予定はないが、処分やリサイクルショップをはじめとした買取り業者に出すには抵抗があるようなお客様が保有する着物について、保存状態の良いものを店舗でお預りし、これから着用を望んでいるお客様にレンタルや販売仲介をするサービスを提供することによって、双方のお客様が抱えている問題解決を図ることを目的として、新たな着物提供サービス「えにし」を考案、導入することになりました。
(「えにし」=「縁」。「持っている層と着用したい層のご縁を繋ぐ」との思いが込められております。)
しかしながら、お客様が保有する、未使用であったり、保存状態の良い着物や帯をお預りし、着用したいお客様に向けてレンタルや仲介販売、お預りサービスといった複合的なサービスを展開するためには、お客様お一人お一人の1点物の商品をお預かりし、精度の高い管理をする必要があり、アナログの状態のままでは、この新サービスの実現は非常に困難な状況でした。
そこで、ICタグに個別識別コードを書き込んで1点ずつ管理する方式を採用することとし、その結果、お客様と店舗間で着物や帯の往来がある、レンタルとしてご利用者様に貸し出している、メンテナンスに出している等、1点物の着物や帯の状態がすぐにわかり、かつ、私共の管理業務としましても、棚卸等の業務が非常に効率的になりました。
このようなシステム作りを社内のITシステム担当者を中心に進め、ITコーディネータ様をはじめとする外部専門機関による助言・提案、ITシステム開発企業様との専門的な部分での意見の取り交わし等の連携を経て、2014年よりシステムを導入し、運用しております。
常にデジタル技術が活用できる組織体制を今後も維持・継続し、必要であれば、積極的に、IT、デジタル技術を駆使して、今後もよりよいサービスをご提供できるように努力してまいります。
セキュリティアクション自己宣言について
株式会社甲州屋呉服店では、ITシステムの導入、積極推進に伴い、情報セキュリティの安全な管理運営に取り組んでおり、セキュリティ対策自己宣言(二つ星)を宣言しております。