着物・浴衣のたたみ方、しまい方はどうすればいい?新宿の老舗呉服屋が解説
「着物って、洋服みたいなたたみ方をしても大丈夫かな…」
「タンスに眠っていた着物や浴衣を広げてみたけど、どうやって元に戻せば…」
「しまい方やたたみ方を、今更近所の人やお店屋さんに聞くのも恥ずかしい…」
あなたは、着物や浴衣のたたみ方やしまい方でお困りになっていませんか?
ということで、初めまして。
大正12年創業、新宿・甲州屋呉服店の四代目。
“新宿通りの若旦那” こと、 志村 郷親(シムラ クニチカ)と申します。
「和服をもっと身近に。」をコンセプトに、世界に誇れる和文化を継承、広めるために、情報発信メディア「和服東京」を通じて様々な企画をプロデュースするとともに、日々精力的に情報を発信しています。
着物や浴衣は、正しくたたんで保管することが大切です。
たたみ方やしまい方を間違えると、大切な着物や浴衣にシワや傷みが生じてしまう可能性があります。
そこで、このページでは、着物や浴衣の正しいたたみ方、しまい方の手順を、老舗呉服屋が分かりやすく解説します。
1. まずは汚れやシミがないかをチェック!
まず、着物・浴衣をたたむ前に、汚れやシミがないかをチェックします。
汚れやシミがあるままたたんでしまうと、カビや虫食い、黄変等の原因になります。
カビや黄変といった取れないシミが付着すると、染み抜きをしても取り切れなくなることがあります。
そうなってしまうと、大がかりなお手入れや、リペア(お直し)が必要になってしまいます。
もし、汚れやシミが見つかった場合は、お近くの呉服屋さんや専門のクリーニング店に相談してください。
間違っても、自分で洗って何とかしようとしないでくださいね。
なぜかというと、本格的な着物は、正絹(しょうけん)といって絹で作られているため、水に弱いからです。
浴衣の場合は綿反ですので、水洗いで優しく洗えば、ご自宅で洗濯することもできることはできます。
ですが、本染めの藍色が白い部分に付着したり、「色なき」(色移り)がおきたりすることがあります。
また、「絞りゆかた」の場合は、絞りが縮んでサイズが変わってしまうことがあります。
いずれにしても、浴衣の場合も、プリント物以外はお近くの呉服屋さんなどでお手入れしてもらう方が良いでしょう。
また、チェックしたとき、パッと見、何ともなくても、少し注意が必要です。
- 気が付かないうちに水がはねて、生地に付着してしまっている
- 暑い日ではなくても、じっとりと汗をかいていて、生地が吸収してしまっている
など、湿気を吸ってしまっている場合があります。
定期的にクリーニングしておくと、お気に入りの着物・浴衣を長くご愛用できます。
2. 実際にたたんでみよう!
では、実際にたたんでいきましょう。
まず、着物・浴衣が十分に広げられるくらいの場所で、広げて平らにします。
次に、どちらか片方の脇の縫い代に沿って、内側に織り込みます。
次に、内側に織り込んだ側の衿(えり)から褄下(つました)の縫い代の部分を、今度は外側に織り込みます。
次に、たたんでいない方の衿(えり)から褄下(つました)の部分を、先ほど外側に織り込んだ衿(えり)から褄下(つました)部分にピッタリと合わせます。
今度は、最初に内側に織り込んだ片方の脇の部分に合わせて、反対側のもう片方の脇の部分に合わせてたたみます。
たたんで両端を揃えたら、織り込んだ内側に手をスッと入れて、シワがないか、チェックします。
続いて、両袖を外側に織り込んで、袖(そで)を衿(えり)から袖口(そでぐち)まで一直線になるようにします。
着物をひっくり返して、もう片方の袖も同様にたたみます。
袖を折り返したら、胴部分を三つ折りにします。
三つ折りにするときは、衿(えり)から裾(すそ)まで真っ直ぐになるように気をつけてください。
なお、着物をしまう「たとう紙」(※)のサイズによっては二つ折りにします。
※たとう紙とは着物を外気や埃等から保護するために主に和紙で作られた和装用の衣装ケースのこと。
最後に、裾(すそ)から衿(えり)まで均等になるように調整してください。
3. たたみ終わったら、たとう紙にしまいましょう!
三つ折り(もしくは二つ折り)にしたら、丸めずに、平らな状態で保管します。
たとう紙(和装用の衣装ケース)に、出来れば薄紙(習字の半紙のような材質のもの)を敷いて、しまってください。
着物・浴衣を保管する場所は、桐の箪笥が望ましいとされていますが、なければそれにこだわる必要はありません。
湿気や直射日光が少なく、通気性が良いところに保管してください。
以上が、着物・浴衣のたたみ方、しまい方の基本的な手順です。
大切な着物・浴衣を正しくたたんで保管して、長く愛用しましょう。
4. 新宿で本格着物・浴衣の相談をするなら
もし、着物・浴衣をたたむ前に、汚れやシミが見つかったら。。
ターミナル駅として圧倒的なアクセスの良さを誇るここ新宿には、全国チェーンの呉服屋、百貨店の呉服売り場、それから当店のような老舗の呉服屋と、様々なタイプの呉服屋さんがあります。
それぞれに良さがあり、一概にはいえませんが、本格的な着物・浴衣・帯の相談をするなら、やはり知識も引出しも多い専門性の高い街の呉服屋さんで相談されるのが、アフターケアも含めてお勧めです。
もちろん、当店甲州屋呉服店でも本格着物・浴衣のクリーニング(「お手入れ」・「お直し」)のご相談を承っていますので、ぜひ、お気軽にご利用くださいね。
あなたが快適な着物生活をお送りできることを心から願っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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