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大人の女性が似合う本格着物の選び方・買い方について、新宿の老舗呉服屋が解説

「ハレの場で着る用の自分の着物が欲しいんだけど、どんな種類の着物を選べばいいの?」

「仲の良い友人と一緒に自分の着物を着て出かけてみたいなあ」

「着物って、着付けやメンテナンスが大変そう…」

「本格的な女性の着物は、どこで買えばいいの?」

あなたは、自分だけの着物を作ってみたいけど、選び方や買い方について分からなかったりお困りになったりしていませんか?

大人の女性が似合う本格着物を作ることは、決して難しいことではありません。

志村 郷親
志村 郷親
ということで、初めまして。

大正12年創業、新宿・甲州屋呉服店の四代目

“新宿通りの若旦那” こと、 志村 郷親(シムラ クニチカ)と申します。

「和服をもっと身近に。」をコンセプトに、世界に誇れる和文化を継承、広めるために、情報発信メディア「和服東京」を通じて様々な企画をプロデュースするとともに、日々精力的に情報を発信しています。

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このページでは、「大人の女性が似合う本格着物の選び方・買い方」について解説しようと思います。

1. 着物の「種類」と「着用シーン」について

女性が着物を着ようと思ったとき、例えば、

  • 結婚式ではどんな着物を着ればいいんだろう?
  • 街歩きでどんな着物を選べばいいんだろう?
  • そもそも、女性の着物にはどんな種類があるのだろう?

といった疑問が起こるのではないかと思います。

また、何度か着て、少し慣れてくると、

  • 小物も含めて、もっと粋な着こなしをしてみたいなあ
  • 普段使いで、気軽に着物を着られるようになりたい

と考えるようになったりするものです。

そんなときは、「着用シーンごとの簡単なルール」さえ押さえてしまえば、そのときにどんな着物を着るべきなのかが分かるようになってきますし、粋に立ち振る舞える着こなしが自然にできるようになってきます。

では、着物の「種類」と「着用シーン」には、どのようなものがあるのでしょうか?

志村 郷親
志村 郷親
ではさっそく、女性用の着物の種類と、それぞれどんな時に着るものなのかを解説していきまね。

1-1. 礼装

まず、礼装です。

礼装は、

  • 結婚式の新婦
  • 成人式
  • お葬式における喪主や親族

が主な着用者、着用シーンになります。

このような場合に正式なものとして着るのは、結婚式の新婦の衣装としては「白無垢(しろむく)」「色打掛(いろうちかけ)」になります。

成人式では、皆さんご存じの通り「振袖(ふりそで)」を着用し、お葬式における喪主や親族になった場合は「喪服(もふく)」を着ます。

また、「黒の五つ紋付き」は、最も正式な場(第一礼装、正装)で着用します。
(女性の場合は男性と違って、黒の五つ紋は、葬儀等の喪の場合や結婚式で新郎新婦の親族の女性が着用する留袖(とめそで)」になります。)

なお、結婚式でも、お呼ばれの場合や両家の新郎新婦の兄弟姉妹の場合は、「振袖(ふりそで)」を、両家新郎新婦の母親の場合は「黒留袖(くろとめそで)」親族でも未婚の方の場合は「色留袖(いろとめそで)」を着用して出席してもよいでしょう。

また、授賞式なども、「振袖」「留袖」「訪問着」の出番と言えるでしょう。

1-2. 準礼装・略礼装

次に、例えば、

  • 友人の結婚式に招待された
  • ホテルで開催されるパーティーに出席する

など、フォーマルな場であっても、振袖や留袖までの正装は必要としない場合があります。

そのような着用シーンでは、準正装略正装といった位置づけの着物が適しています。

具体的には、先染めの糸で織り上げた、「御召(おめし)」という種類の着物を選びます。

ちなみに、背中に「一つ紋」が入っている御召なら、格式のある場で着用しても問題ありません。

その他、「色無地(いろむじ)の一つ紋付き」や、「訪問着(ほうもんぎ)」、肩や裾、振りの部分にポイントだけ柄付けしてある「付下げ(つけさげ)」を着用しても大丈夫です。

1-3. お洒落着

最後はお洒落着です。
要は、「普段遣い用の着物」のことですね。

これは、例えば

  • 街歩き
  • 観劇
  • 音楽鑑賞会

など、フォーマルな場以外なら、どんなときに着てもOKです。

どんな種類の着物が該当するかというと、女性の場合は、絹織物の「紬(つむぎ)」という種類の着物になります。
「大島紬」「結城紬」などが有名で、希少性の高い紬もおしゃれ着に該当します。)

また、女性の場合、全体に細かい模様が入っている「小紋(こもん)」という種類の着物にも豊富な種類があります。

普段遣い用の着物の場合は、帯は名古屋帯」「八寸帯」「半巾帯」など、自由に選んでいただいて構いません。

2. 女性用着物の「着こなし」のポイント

女性用の着物は、男性ものと違って、シンプルな色やデザインといった簡素なものから、縞(しま)や格子等といった柄遣いが豪華なもの、また奇抜な柄遣いのものまで、多くの種類があります。

そのため、着物と帯の合わせ方がコーディネートのキーになります。

着付けについては、女性用の着物は、帯揚げや帯締め、帯枕などの小物を使いながら締めていくので、最初は難しく感じるかもしれません。

帯は、袋帯でも名古屋帯でも八寸帯でも、基本的には締め方は同じになりますが、二重太鼓、一重太鼓など、細かく違いがあります

最初は遠慮なくお店の人に締め方を教えてもらって、あとは「習うより慣れろ」で、ご自身でチャレンジされると早くコツがつかめると思います。

特に帯については、前で太鼓まで作ってから後ろに回すこともできるので、自分の目で見ながら締めるなど、何度もトライしてみましょう。

もちろん、呉服屋さんや一部の美容室さんでも着付けをやってもらえます。

ここぞというときは、いきつけのお店を利用すると良いでしょう。

3. 大人の女性が似合う本格着物の購入(お仕立て)の相談はどこにする?

では、大人の女性が似合う本格着物の購入(お仕立て)の相談は、どこにすればいいのでしょうか?

相談先は、大きく分けて、

  1. 百貨店の呉服売り場
  2. チェーン店
  3. 専門店(街の呉服屋さん)

の3つになるかと思います。
(「本格着物」になりますので、ここでは「ネット通販」は除きます。)

3-1. 百貨店の呉服売り場

もうすでにあなたは、「着物 デパート 百貨店」などと検索して、百貨店のウェブサイトをチェックされているかもしれませんね。

百貨店のメリットは、着物に限らず何かと百貨店には買いもので足が向くことが多いことから、買い物ついでに寄りやすいことが考えられます。

また、一般的に売り場面積が広く、開放的で入りやすい店構えであることが多いのが特徴です。

逆にデメリットは、

  • 昔の百貨店と違って、店員の着物の専門知識が必ずしも豊富でない
  • 売上ノルマが課されていることが多く、何だかんだで「高額な商品」の提案を受けやすい

ことなどがあります。

3-2. チェーン店

では、着物のレンタルや販売を行っているチェーン店はどうでしょう。

チェーン店のメリットは、駅ビルやショッピングモールなどにテナントとして入っていることが多く、着物に限らず何かと買いもので足が向くことが多いことから、買い物ついでに寄りやすかったり、仕事帰りに寄りやすかったりすることが考えられます。

また、百貨店同様、一般的に売り場面積が広く、開放的で入りやすい店構えが多いのが特徴です。

逆にデメリットは、

  • 店員の皆が皆、着物の専門知識が必ずしも豊富でない
  • 百貨店もそうですが、売上ノルマが課されていることが非常に多く、すぐに購入を促されるため、ゆっくり見たり説明を受けたりすることができないことが多々ある

といったことがあります。

3-3. 専門店(街の呉服屋さん)

大人の女性が似合う本格着物購入(お仕立て)の相談は、「街の呉服屋さん」などの専門店にするのが今でも主流かと思います。
(ちなみに、「レンタル」はチェーン店より後発ですが、最近は「レンタル」に対応している呉服屋さんが徐々に出てきています。)

やはりメリットは、着物のスペシャリストなので、着物の疑問点や不明点に親身になって相談に乗ってくれることでしょう。

また、一度利用した後はお得意先様になりますので、追加購入やレンタルする際に、以前購入したものの色や柄を考慮したコーディネートについて提案を受けられると思います。

それに、購入後の「お手入れ」や「お直し」についても、街の呉服屋さんには解決策の引き出しが多くありますので、アフターケアの相談が気軽にできる点も見逃せません。

またもう一つ、とても重要なメリットがあります。

それは、街の呉服屋さんなら、お店で細かい採寸をするので、仕立ての寸法について相談に乗ってくれます。

加えて老舗の呉服屋さんなら、腕のいい職人さんと長年取り引きされていると思いますので、お客さんにジャストフィットの寸法で、着心地のいい着物に仕立てることができるでしょう。

本格的な着物は、流行りものと異なり、長く付き合っていくものです。

痒い所に手が届くような、細かい相談ができる店であることに越したことはありません。

きっと、あなたにとって満足度の高い着物に巡り会えると思います。

逆にデメリットは、

  • 自宅の近くに店舗がない場合、遠方まで足を運ばなければならない
  • 自分と相性のいいお店選びに手間がかかる

といったことがあります。

4. 自分と相性のいい呉服屋さんの探し方

「自分と相性のいいお店選びに手間がかかる、か。
やっぱり気軽に何でも相談できるような呉服屋さんを探すのは簡単じゃないよね…」

志村 郷親
志村 郷親
もし、そう思ってしまったとしたらごめんなさい!

確かに、百貨店やチェーン店と比べたら、大人の女性が似合う本格着物を扱う呉服屋さんの数は少ないです。

でも、探し方のポイントがいくつかあるんです。

4-1. 自分と相性のいい呉服屋さんを探す際のポイント

まず、呉服屋さんを探すときは、自宅や職場から通いやすい場所を中心に探すといいでしょう。

「購入」の場合は、(宅急便を手配していなければ)仕上がりや仕立て上がりのタイミングでそのお店に行くことになります。
(その場で確認して、万が一サイズが合わなかったときはお直しの手配をすることになります。)

自宅や職場の最寄り駅や、通勤で通る駅などで、「○○(駅名) 呉服屋」などと検索すると、きっといくつか呉服屋さんが見つかると思います。

そして見つかったら、ぜひ軽い気持ちでそのお店をのぞいてみてください。

初めは店に入りにくかったり、敷居が高そうに感じたりするかもしれません。

でも、多くのお店は気さくに接してくれると思いますし、無理に着物を売りつけようなんてお店はそうそうありません。

なぜなら、呉服屋は信用商売なので、評判が悪い店ならとっくに潰れているからです。

いくつか店をのぞいてみれば、品揃えや接客態度、店の雰囲気など、「このお店、なんかいいな」と思える、自分と相性のいい呉服屋さんがきっと見つかるでしょう。

そしてぜひ、長いお付き合いができる、自分のお気に入りの呉服屋を見つけてください。

長いお付き合いができれば、お店に台帳が残りますので、次回、「お手入れ」や「お直し」をする際や、新しい着物や浴衣を作る際に、採寸のための時間がかかりません。
また、もし体型が変わって採寸し直すときでも、全部採り直す必要はありません。

レンタルする際も、ご自身に合ったサイズの着物をすぐに用意してくれるはずです。

4-2. こういうお店は要注意!

もし、街の呉服屋さんに入ってみて、「なんとなくお店の人と合わないな」と感じたら、無理にそのお店を選ぶことはないと思います。

やはり最終的には「人」と「人」なので、相性は大事ですし、話しやすい方がこちら側の要望を伝えやすいものです。

その方が、結果として満足のいく「購入」ができると思います。

それから、一方的にお店の人が話をするような店は、こちら側の要望がうまく伝わらなかったりするので気をつけた方が良いかもしれません。
(お店の人も悪気がなく、そういう人柄なだけの場合もありますが…)

また、売りたいものを単純に売りつけてくる場合も少なからずありますのでお気を付けください。

あなたのために親身になって相談に乗ってくれるかどうかが、お店選びのカギと言っていいでしょう。

5. 新宿で大人の女性が似合う本格着物の購入(お仕立て)の相談をするなら

ターミナル駅として圧倒的なアクセスの良さを誇るここ新宿には、全国チェーンの呉服屋、百貨店の呉服売り場、それから当店のような老舗の呉服屋と、様々なタイプの呉服屋さんがあります。

それぞれに良さがあり、一概にはいえませんが、大人の女性が似合う本格的な着物の購入(お仕立て)の相談をするなら、やはり知識も引出しも多い専門性の高い街の呉服屋さんで相談されるのが、アフターケアも含めてお勧めです。

志村 郷親
志村 郷親
もちろん、当店、甲州屋呉服店でも、大人の女性が似合う本格着物の購入のご相談を承っていますので、ぜひ、お気軽にご利用くださいね。

あなたが「粋な着物生活」をお送りできることを心から願っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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